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●まったくメタボになってないことで多数の信者の信心をさらに鞏固たらしめ、より多数の同性同世代傍観者の羨望を集めたともいわれるソテジ、状況的には4年弱ぶりの新録作品(アルバムの前哨戦となる3曲4トラック入りシングル)。タイトル曲の「MOAI」は文字通り(映像通り?)、モアイ像のある地域のことだが、日本人にとってはこれは明らかに「(裏)SHIBUYA」のことである!! と断言できるほどによくできた韓国語によるJ-ROCK、という煽りはテジ本人もたぶん期待しているところと思われるわけだが、15年前に身をもって示した「HipHopも韓国語でやればK-POP」(字余らず)という命題を鮮やかになぞってみせているだけでなく、考証学的には彼(テジ)自身がその源流のひとつに同定されるJ-ROCKシーンへの“玉手箱”的趣きさえある小品となっている。リズム・ストラクチャーの小細工ぶりの割にはしっかり泣きが入っているのは「MOAI」の曲名に恥じぬところであり、もしもこれの日本語カバーがあるならば、おそらくガラパゴスなJ-POPチャートの上位を軽く取れるであろう“箱庭的ポップさ”を備えており、“東アジア最強の引き籠もり”(これではまるで大賢良師・張角のイメージだが)の称号を軽く返上・凌駕する英語発音(以前の作品ではあまり問題となることはなかったのだが、ボーカリスト=ソテジがより顕在化しているという意味で)も気になるところである。

(…と、稗史としてこれらのことをひっくるめて少女時代が2007年に登場したことの功罪として語られる日が数年後には来るのかもしれない)。

《曲目紹介》

01.　 MOAI 　

02.　 HUMAN DREAM 　

03.　 T'IK T'AK 　

04.　 MOAI　( RMX )