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ク・ヘソン / 小品集『息』

[some information]

●きっちりYGからミュージシャンとしてリリースされたク・ヘソンの作品集。ということは、今後YG Familyが再始動するときは彼女もメンバーなのか!? …と期待されたが、ジャンル的には「ニューエイジ」である。で、自身の初長編映画のサントラ部分先行公開も兼ねる…という太っ腹なのか、複合戦略なのかよくわからない多才&多彩ぶりをみせている商品…じゃなくて小品集。基本的に作品集なので各トラックには担当の歌手(or プレイヤー)が付いていることになるが、注目のタイトル曲[08](というか正確には[06]のvocal ver.)はコミの歌唱によるもの。さらに[02]にはIsao Sasakiが参加しており、[08]はこの2名の共演曲ということに。ほかにピアニスト、チェ・イニョン(♂)とチョ・ヒョンソクの演奏曲となっている。青くみえるのは半透明プラ製の表紙で中身は紙細工を3重ほどにした半立体的なカバー、全体は観音開きのようなデザインとなっており、トータル・アート的にも韓国CD史に残りそう。

●実際のコンポーザーとしての作風は、(韓国内に本来比較すべきニューエイジ・アーティストがいるかもしれず、世代的にやや不適当かもしれないが)、グローバルにははやりWindhamHill系のピアノ・サウンドを彷彿とさせるものとなっている。つまり若干鼻歌では歌いにくいが、聴く分には優雅なシェイプのメロディーによる変奏曲風(実際には反復)で、奏者の解釈にもよるがまずは作曲者のキャラと乖離しないロマンティシズムに溢れたものとなっている(ことからも[08]の歌手セレクションは的を射ているといえるだろう)。ただし[05]などにあらわれる即興風なトリルの挿入などは、奏者によるものなのか、譜面指定の様式上のフェイントなのかは微妙。アレンジは基本的にby 演奏者とクレジットされていることもあり、物理的には[01][04][07](チョ・ヒョンソク)と[02][08](ササキ)および[03][05][06](チェ・イニョン)の3部的な構成になっている(録音スタジオ的にもしかり)とみたほうがいいかもしれない。したがって[03]などは反復性が強いだけでなく管楽アンサンブル(=シンセなのか)を被せつつも薄く持続的なファンファーレ的処理になっているあたりにさらにシンバル・マレットを重ねるところなどは、典型的な70年代的ミニマル風の処理を感じさせるが、これはアレンジャー(=ピアニスト)の嗜好である可能性もある。ちなみにこの[03]に歌詞なしのvoiceで参加しているイ・ユンジであるが、昭憲皇后のヒト…だいう記述はいまのところ見当たらずエイミーでもないヒトとみられている。いずれにしてもジャズ系あるいはMBP系寄りのニューエイジよりはクラシカルで(=はじめにメロディーありきで後からハーモナイズっぽくはあるものの)たしかにすぐにでもOSTとして採用できそうな(で実際使われているわけだが)曲想・曲水準といってよく、ex PDのヤン・ミンシクの苦労も慮られるところではあるが、まずは平成の女・ナオル、といっていいレベルに近い状況かと思われる。



track list
0101
Rain 
-
チョ・ヒョンソク (piano) 
2:43
0102
さまざまな別れ 
-
Isao Sasaki (piano) 
4:25
0103
夜雨の音 
-
チェ・イニョン (piano) , イ・ユンジ(vocalise) 
4:59
0104
香り 
-
チョ・ヒョンソク (piano) , キム・ウォソク(cello - arrange) 
2:23
0105
愛の夢 
-
チェ・イニョン (piano) 
4:52
0106
路地を曲がれば 
-
チェ・イニョン (piano) 
3:30
0107
別れ行進曲 
-
チョ・ヒョンソク (piano) 
4:29
0108
路地を曲がれば 
-
コミ with Isao Sasaki(piano) 
5:20
→ カナ(ハングル読み)を表示 Japanese Translations courtesy of (c)Junkei Tsutsui
商品コード : CMBC-9178
製造元 : [2009/] YG
価格 : 3,300円(税込)
 ■[YGK-0010]
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