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(外装訳あり)《巫楽》チョー・ハンチュン、キム・チュンガン、キム・チャンソプ ほか/巫楽〜京畿道ドダンクッ

※外装訳あり品

長期保管品のため、外装フィルムに汚れがございます。
予めご了承ください。


●ソウル〜京畿道地域に伝わるシャーマンの儀式(音楽と歌)を収録、
文字どおりソウルフルなヴォーカルと、管弦の響きがダイナミックな浮遊感を創出、
サン・ラ的コスモの世界が展開する。                                                                                                                                                                                                         


  • Jo HanChoon
    (vocal & janggo on 1.2.3., janggo on 4.5.6.)
  • Kim ChoonGang
    (vocal[daegam-noli] on 5.6.)
  • Kim ChanSub
    (haegeum on 2., piri on 4.5.6.)
  • Kim HangGook
    (piri on 1.2.3., haegeumon 4.5.6.)
  • Park MoonWoon
    (haegeum on 1., daegeum on 2.4.5.6.)
  • Kim SangBong
    (jing on 1.2.3.5.6.)
  • Kim BangHyun
    (daegeum on 1.)
  • 01. Anj-eung Bu-jong
    - Korean Traditional
    02. Jang-seung-baeg-i(Dol-dol-i)
    - Korean Traditional
    03. Ga-rae-jo
    - Korean Traditional
    04. Sam-Hyeon
    - Korean Traditional
    05. Sang-san-geo-ri
    - Korean Traditional
    06. Chang-bu-geo-ri
    - Korean Traditional

  • Recorded at Seoul Studio, Seoul Korea, March 14, 1994
  • Mastered at Tokyu Fun Studio, Tokyo Japan
  • Produced by Sohn, Ah Sun(Sound Space) and Shimizu Ichiro (Sound Space)
  • Engineered by Uetsuki Takashi(Delta Studio)
  • Masterd by Ueda Keiko(Tokyu Fun)
    94年3月14日。この日は、長きにわたって催されることのなかった、偉大なる京畿道シャーマン達の復活セッションが記録された日として、永く記憶されることになるだろう。 
    冷たく、ドライな風が心地よい晴れた日の午後、6人のシャーマン達は、悠久の響きを有する“魂の音楽”を引き連れ、ソウル・スタジオにやってきたのである。広々としたスタジオ内に、半円を描くように陣取ったシャーマン達。期待と興奮に胸を弾ませ、息を呑んで彼等を見守るレコーディング・スタッフ達。最初に演奏されたのは<サンサンコリ>。チャングとチンを中心として、3つの楽器(ピリ、テーグム、ヘーグム)が奏でる多旋律が揺らめき、力強く圧倒的なヴォイスがコントロール・ルームに鳴り響く。驚愕のサウンドに思わず顔を見合わせるスタッフ達。閉ざされた封印は、この日まさに解かれたのである。


    今、世界中の音楽家達が、韓国のシャーマン達の音楽に注目し始めている。特にジャズ・シーンにおいては、それが最も顕著にあらわれていると言えるだろう。彼等の多くは、シャーマン達の姿に、オーネット・コールマン、アルバート・アイラー、ジョン・コルトレーンといったジャズの革命児達の姿をオーヴァーラップさせる。つまりシャーマンの音楽に、60年代に代表されるフリーなジャズのスピリットを見出すのである。しかし考えてみれば、これはシャーマン達に対しては全く失礼な話であり、順番があべこべな話なのである。ジャズ、ロック、クラシック等の音楽がどのような変遷を遂げてこようと、偉大なるシャーマンの音楽は遥か古の時より、脈々と息づいていたのだから。 
    60年代にアメリカを中心として沸き上がったフリー・ジャズ・ムーヴメントがもたらした最大の功績は、「人間性の回復」と「精神の解放」であったとも言えるだろう。それらは既成の価値観に対する破壊行為でもなければ、前衛と呼ばれる抽象芸術でもなかったのである。理論・テクニック指向から逸脱し、作曲と即興を分化する西洋音楽的価値観レヴェルでの即興性。記憶の彼方に置き忘れた“何か”。ここに真のフリーを求めたジャズ・ムーヴメントとシャーマンの音楽を結びつけるカギが隠されているのではないだろうか。


    チャング、ケンガリ、バラ、チン等の打楽器がけたたましく入り乱れる東海岸シャーマンの音楽とは異なり、ここに聴かれる京畿道シャーマンの音楽は、心臓の鼓動のようなチンの響きと、自由自在なチャングのビートにより、静かに進行していく。その上を行き交う3種の旋律楽器ピリ、テーグム、ヘーグム。3者の関係性は専門的な立場から言及すれば説明も可能であろうが、構造的には全く異なる3つの楽器が奏でるラインは、あたかも自由な多旋律を思わせ、絡み合うラインが不思議な揺らぎやうねりを生み出している。カオスとコスモスが共存したような広大な音宇宙に、我々は驚愕し、また至福すら感じてしまうのである。更に圧巻は<サンサンコリ>、<チャンプコリ>の2曲に参加したキム・チュンカンのヴォイスである。大地の響きを有するような、この力強く豊かな響きには、思わずゴスペルのマヘリア・ジャクソンもしくは、フォルクローレのメルセデス・ソーザ等を彷彿とさせるほどのインパクトがある。 
    今ここにその全貌を現わした京畿道ドーダンクッを、世界に誇れるすぐれた伝統音楽・民族音楽としてとらえるのは、ごく当然のことだ。しかし“見えない力”によって操作された、マスメディアが提供する音楽に溢れるこの現状において、彼等の音楽が持つネイティヴかつプリミティヴな躍動感は、真に人間的な音楽を具現化していると共に、フリーであることの根源を全ての人々に向けてひもといて見せてくれるのである。 

    Samukawa Koichiro (critic,saxophonist)
    © 1994 Samukawa Koichro


    Copyright © 1996 by Sound Space. all rights reserved.
  • 商品コード : SCO-042-CSS
    価格 : 2,000円(税込)
    (外装訳あり品)
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